女優・ジャーナリスト 深月ユリア 氏

私は国際結婚で日本に来て精神を病んだ母親からネグレクトされていました。
「こんな怪物みたいな、あなたを産まなければ良かった」 という呪いのような言葉を浴びせられた私も自分自身を認めることが出来ず、対人恐怖症・対人赤面症・失声症を患いました。
なるべく人との関わりを絶ち自分自身の殻に閉じ込もり、人と関わる時は常に何らかの仮面を付け替えていました。

そんな私が変わるきっかけになったのは大学三年生の時に始めた芸能の仕事です。 当時は芸術療法という言葉も知りませんでしたが、「表現」を通してありのままの自分らしさに目覚めることが出来ました。 そして人生が楽しくなり、自分自身が好きになりました。

今は女優の仕事の他に占い師・カウンセラーとして虐待されて育った方々のカウンセリングもしています。
虐待されて育った人達は何かにつけて 「自分が悪い」 「もっと頑張らなきゃ」 と思う癖がついていますが、これは自己洗脳で、己が作る出口の見えない迷路。 抜け出して自由になるには、自分で自分を許すこと。
本来、自分に優しくするのには誰の許可もいらず、楽になって大丈夫なのです。 そして親含め他人も許すこと。
この世は欠陥のあるパズルのピースが集められ、どこかでプラスにどこかでマイナスになり「ゼロ」を作ります。
完璧な人間は存在せず、誰だって欠陥があり親だって結局は己とは違う「他人」なのです。 己の憎しみや怒りなど闇の感情は絶対的な価値観で悪いものではないので、受け入れてあげることも大事ですが、憎しみは憎しみを呼び結果的に自分自身が苦しむことになります。 自分と違うものを、無理に愛さなくていいから許し、憎しみを「手放す」こと。 他人への許しは己の「癒し」で、他人を許すことで自分自身をも許すことになります。

虐待されて育った人達は、円満な家庭で育った人達より忍耐強く母性・父性があり、人の痛みが理解できる人間力があります。 一人一人が自分らしい最高の人生を最良な形で歩めますように。